お花の思い出
お花の思い出
着物のお仕事をしていると、いかに多くの花々が着物の柄として使われてきたのかと
気付かされます。
写実的に描かれている花、デフォルメされた花、創作花、架空の花など色々なお花が
着物の柄として登場してきます
そして、”これは何の花だったかなぁ?” と思ったり、浴衣に冬のお花を使うかな?
とか考えだしたらきりがなく、たぶん合ってるかなと思ってUPして、後から間違いに
気づき慌てて訂正したり、時には気付いた時には SOLD OUT で手遅れだったり
します。
本当に皆さまには申しわけない事をしております
ところで、私の子供時代の頃は、お花はいつも身近な存在だったような気がします。
実家の庭先には、いつも四季折々のお花が咲き、実の成る木もありました。
例えば、”椿”
よく着物の柄にも光琳椿や寒椿など使われていますね
でも、椿の花が咲く頃、いつも楽しみにしていたのが、もうすぐお花が咲く一歩手前のつぼみ
をむしり取り、まるで玉ねぎの皮を剥くごとく、1枚1枚丁寧に剥いていくのです。
ことごとくつぼみを情け容赦なくむしり取っては、ひたすら剥くことに専念する、
今から思えば何の意味があったのでしょうね。と他人事のように思いますが・・・
そして、つつじの木は、昔はどこのご家庭にもあったと思いますが、これもお花をとっては
甘い蜜を吸って遊んでいました。
又、山吹の花はこれまた花を摘んで、水の中に入れて小さな掌で握りつぶし、色水を作って
綺麗だなぁと幼心に感動していたものです
朝顔やひまわりは枯れたあとに種を取るのが楽しくて仕方ありませんでした。
春にはレンゲの花を摘んで髪飾りを作って遊び、撫子、ばら、桔梗、チューリップ、水仙
と季節のお花がいつも身近にあり、それはいつも幼い頃に自由にできる唯一の遊びの道具
だったのかも知れません
今や、毎日着物を見ては、その時代に流行った花々が登場し、大正から昭和時代にかけては
華やかな牡丹の花や芍薬、百合の花、菊、梅、桜など多く描かれて、その色使いの美しさに
圧倒される日々です。
正絹地に直接花々が描かれ、染められ、時には刺繍が施され、それはまるで1枚の絵を身に
まとっているようにさえ感じさせる着物も少なくありません。
着物や帯に描かれた本物の花にも負けない程美しく描かれた花々を、今日も眺めつつ1枚でも
多く、着物好き、アンティーク着物好きの皆さまへお届けできますように頑張ります
- 2016.07.19 Tuesday
- 着物
- 23:37
- comments(2)
- -
- by あかり
蜜を吸ったりして遊んでいました。
何もない時代だからこそ
身の回りにある植物がとても
子供ながらに楽しい遊び道具でしたね。
ブログを読ませていただき
久しぶりに懐かしい気持ちになりました。
ネットショップの方も
いつも楽しく拝見させていただいております。
これからも楽しみにしていますね。